プロフィール

PROFILE
プロフィール

S0U! Design labo 代表

森 さおり

自分の想いにまっすぐ進みたい人を応援したい

神奈川県川崎市出身・在住。
大学卒業後システムエンジニア、同じ会社の採用担当を経てデザイナーとなる。個人で活動する一方で、株式会社ドマノマドのチームでもプロジェクトマネージメントを行うなど、幅広い場で活動している。

自分の想いにまっすぐ進みたい人を応援したい!という気持ちから、ホームページ制作をすることでその想いを応援している。

デザインもコーディングもする「二刀流デザイナー」としてweb・ホームページ制作をするだけでなく、現在ではデザイナー向けに二刀流デザイナー養成講座も開講している。

STORY
ストーリー

三つ子(オタク)の魂百まで

小さな頃から今まで変わらないことは、好きなことはとことん熱中し、とにかく突き詰めるほど夢中になる性格だ。そして熱中することについては一人っ子ということもあり、自分がやりたいと思ったことは一切否定されることなく、自由にやらせてもらっていた。


そして、興味のあることと興味のないことの差が歴然だった。


幼稚園の頃から外で遊ぶことは少なく運動することへの興味は皆無。気づいたら教室で絵を描いていたり、折り紙を折ったりするような子供だった。テレビゲームにもハマり、当時のポケモンは全部集め、ポケモンバトルでもクラスの誰にも負けなかった。

12歳のころ、2つのことに夢中になる。一つはパソコン。そしてもう1つはアイドルの嵐だ。

嵐は今や誰もが知っている国民的スターだが、当時の嵐はそうではなく、CD出してもオリコン1位を逃したり、アリーナ規模のコンサートが埋まらなかったり、深夜番組の泥臭いロケなどをたくさんしていた時代だった。

当時の私はメンバーの出演したテレビやドラマはビデオで録画して擦り切れるほど見たり、CMに出演することがあれば、CMだけを集めたDVDを作ったり、メンバー全員のラジオを毎週MDに録画して聴いたり、CDが発売されたら毎回複数買いをするほど。

公式ショップに行って写真を買って集めたりもした。ただ、その楽しさ、素晴らしさを共有できる仲間が残念ながら身近にいなかった。

そこで、自ら中学生の時、嵐ファンの交流の場を設けたことでインターネットを通して瞬く間に友人が増えた。この経験が今のデザイナーという仕事に繋がるはじめの一歩となる。

ワクワクできる誰かの未来をみんなで応援したい!

今やSNSがある中で、学校や会社等の決められた人間関係以外を作ることは当たり前にできる時代になったけれど、当時はそんなものなんてなかった。すごく狭い世界にいる感覚が、インターネットを通すとこんなに世界が広がるなんて!と感動した。

実際、インターネット上で仲間を集めて、週末に定期的に集まりランチやカラオケにいった。始発で幕張メッセの握手会にも行った。

そして何よりも一番楽しかったのがコンサートだ。初めてコンサートに行った時は、ワクワク感に興奮して余韻で眠れなくなったほど。会場に溢れる熱気と、豪華な演出。そして、憧れの嵐がこの肉眼で見える。そんな感動を仲間と分かち合いながら過ごした学生時代だった。

その後、嵐の魅力はじわじわと世に知れ渡り、2008年あたりに人気が爆発し、国民的スターになっていった。

私は自他共に認めるオタク気質。人生の中でも私のオタク魂は嵐だけにはとどまらず、今までさまざまなミュージシャンのファンになり、全国津々浦々旅行がてらフェスやライブにも行った。

今までハマってきたものに共通することは、ワクワクさせてくれるエンターテイメント要素があることだ。

これからどんな景色を見せてくれるのだろうと、新たな可能性を感じたり、未知の世界へと連れて行ってくれそう!と思えるようなものがきっとあったのだろう。きっとそういったものに惹かれ、応援したい!という気持ちになる。

オタク魂を活かす道

私は嵐を応援するだけではなく、ホームページを作るにも、一切手を抜かず、オタク魂は炸裂。

もっとアクセス数を上げるにはどうしたら良いのだろう?常連さんを増やすにはどうすれば良いのだろう?と考え、ホームページの見た目にもこだわるようになった。
こんなデザインはよく見るなーとか、このサイトは可愛いなーとか色々研究していた。

この頃から、将来はパソコンを使ったものづくりを志すようになる。ホームページの制作にのめり込みすぎたこともあって、中学の文集に「将来はIT企業就職かWEBデザイナー」と書いていた。

高校生になっても、趣味でホームページを作ったり、大学生になっても先輩の音楽ユニットのホームページを作って管理するなどしていたが、ここでSNSブームが到来し、趣味でホームページを作ることからは離れつつあった。

大学は美大でもなく普通の4大に行ったため、「デザイナーは学生の時から専門的に勉強した人がなるものだ」という決めつけもあり、今後伸びるであろう中学生からのもう一つの夢であるIT業界に足を踏み入れることになった。

大学の時に作った個人での音楽活動のHP

働く現場の理想と現実

パソコンを使ったものづくりをしたいという昔からの思いを貫き、システムエンジニアとして就職。システムエンジニアとしては、銀行のシステムに携わっていた。
専門的な知識や技術力、いわゆる「手に職」をつけて、システム開発という手段でどう問題を解決するかを考えることはやりがいがある仕事だったと思う。

今のデザインの仕事も「手に職」をつけた上、それを手段としてどう問題解決をしていくかという仕事なので、共通する部分も多くあると思っている。そしてWeb制作をする上で、コーディングなどの抵抗が全くないのもシステムエンジニアとしてプログラミングの経験があったからだ。

しかし、システムエンジニアは24時間365日動くシステムを順調に稼働させなければいけない仕事。もし何かトラブルが発生すれば昼夜問わず駆けつけなければいけない。

今後、家族も自分の時間も大事にしたいという、ライフスタイルを叶えるのであればシステムエンジニアは続けていけないだろうと考えていた。

そして、この時ちょうど、転機が訪れた。このタイミングで採用担当に異動になったのだ。そこではシステムエンジニアの経験がある目で採用担当として活躍してほしいという打診だった。

採用担当として活動する中、採用パンフレット・ポスターであったり、会社説明の資料であったり、会社紹介の動画など、ビジュアル・視覚で訴求するものの制作に携わることがあった。ここで自分が初めて向いていると思える仕事に出会えた気がした。

そんな経験もあり、私は心の奥底に眠っていた、もう一つの夢であるデザインを今後仕事にしていきたいという想いを思い出し、デザイン学校のパンフレットを手に取った。

私の背中を押す、コロナ禍・妊娠・在宅ワーク

一方、採用担当で業務をこなす中、採用の仕事が向いていないと感じることが多々あった。
大勢の人の前で話すことや、機転を聴かせて学生さんからの質問に答えることがなかなかできなかった。やるだけのことは精一杯やっていたけれど、周囲の期待にだんだんと応えることができなくなってしまった。

この時、ちょうどコロナ禍に入った。

採用は対面が基本。そんな中、オンラインに切り替えたり今まで経験したことがない対応が多く発生したということもあり、そういったイレギュラーなことにも体もついていけなくなってしまった。もっと自分に自信が持てる仕事だったり、心から好きだと思える仕事ができないかという思いがますます増すばかりだった。

そして、そんな中、息子を妊娠する。その時ちょうどコロナ禍になり、在宅ワークが増えた分、働き方を今後シフトしていきたいという想いで、この時期にスクール(グラフィックデザインとコーディング)を2つ掛け持ちをしながら学んでいた。こんなどん底の時にも何か自分のキャリアに希望を見つけようとしていた。

ひとりぼっち、経験0からの密かなスタート

悩みながらも産休という区切りまでは働き続け、そこまで働き切ったご褒美に現在の相棒であるMacbookを購入することに決めた。このパソコン1台で仕事をするという決意表明だった。

そして、産後にデザインを再開しようと決めたが、デザインをどう仕事にすれば良いのかわからない。一旦クラウドソーシングに登録をしてみて、コンペに何件か応募してみたが、全く通らない

1枚の画像を作るのに数時間もかかっているのに、全く採用されない・コメントも反応もない。採用されないバナーばかりが溜まっていく一方で、一体何をやっているんだろう…という虚しい気持ちになった。

毎日デザインに向き合っているけど、全く仕事がない。デザインを仕事にしている人はどこから仕事が舞い込んでいるのだろう。このままデザインを仕事にしていけるのか。など考えがめぐり、この先がとても不安になった。やっぱり会社員の方が安定している。この安定を捨ててまでデザイナーになるべきなのかということを深く考えていた。

本当の意味でデザインを知った場所

そんな日々が続く中、Instagramで「ドマノマドデザインファーム」というデザインチームの募集要項が目に留まった。

ここは歴10年以上の先輩デザイナーが伴走しながらデザイン力を上げていくデザインチームだった。さらに代表は私と同い年・同じ市に住んでいるという共通点に運命を感じ、産後3ヶ月も経っていないのに、これは今入らなければ後悔する!と直感でメンバーに加入。

これまでただ勉強してスキルを身につけて、とにかくかっこいいデザインを作ろう!としか考えていなかった私には衝撃の環境だった。デザインは実際にホームページや印刷物の成果物などの目に見えるデザインだけが目に留まりがちだが実はデザインする前にすることがものすごくたくさんあることに気付かされた。

まずはデザインのことを決めるよりも、お客様のことを深く知ることが大切。例えばお店の屋号の由来であったり、事業設立のきっかけやストーリーも深く聞いていく。デザインの方向性を決めるのはそこから。

同業で活躍する人もいる中で、どう個性を輝かせていくかを考える。
デザインに触れた人がどういう気持ちになり、行動するか想像する。

その全てが私には足りなかった。伝えるためのデザインにするためは実際デザインツールで手を動かす前に行うことがたくさんあることを私は知っていく。

振り返れば、オタク魂はずっと燃えていた

チームでデザインを磨き続けながら、個人ではInstagramで発信を本格的に始めた。仕事は待っているだけでは歩いてこない。ご縁を繋ぎたいと思ったら自分という存在を知ってもらうことが必要ということに気付いた。

すると、ホームページやInstagram経由でお仕事も多くいただくようになった。現在ではお待ちいただいているお客様やリピーターのお客様もいるほどにお仕事をいただけるようになった。チームの中でも運営に携わったり、営業に関わったり、インスタの運用を行うなど多岐にわたって活動している。

子供の頃、自分でホームページを作って、共通の話題でアツく盛り上がれる仲間を沢山作った経験をまさに今、もう一度経験している。今でもインターネットを通して自分の人生を変える出会う種を確実に逃さないで拾っていけているのは昔の経験が活きているのだと感じる。

ベストなタイミングでデザインチームに入ったこと。同じ川崎に住み、川崎を盛り上げたい!という思いの人たちと繋がれたこと。お仕事のことをアツく語り合えるデザイナーさんと繋がれたこと。そして素敵なお客様に囲まれていること。その全てにつながっている。

これからも、誰かの「アツい想い」を応援したい

デザインはデザイナーに丸投げするという感覚は捨てて欲しい。

伝わるデザインにするためには、ぼんやりとしたイメージを材料にじっくりコトコト煮込んで熟成させることが必要で、そのためにはアツい想いが必要なのだ。デザインにも想いに結びついた意図が必要なのだ。

何か自分が仕事などの成し遂げたいことたったひとつに対してでも、心の奥底にある信念や自分の考えの基礎を作り上げていることが自然と溢れ出してしまっていたり、たった一つのことに対してもビジョンや夢を、時間を忘れるほど永遠に語れることはないだろうか? 
誰に何を言われても、絶対信念として心に思っていることはないだろうか?私が思うアツい想いはその部分にあると思っている。

そしてそのアツい想いは共感を生む。誰かの心を動かすことができる。自分のできることでお客様をどうしていきたいのか聞かせて欲しい。自分がこの仕事をすることによってどういう未来になっていきたいのかを聞かせて欲しい。

人には色々なストーリーがある。一人一人違っていて、例え同じ仕事をしていたとしても100人いれば100通り。誰も同じ人はいない。だからひとりひとりのストーリーに寄り添って、デザインをお客様と一緒に、フラットな関係で作り上げていきたい。

私が今まで全力で推した人がもっと活躍するようになったように、私がお客様を全力で推し、世に羽ばたいていく姿を見ていきたい。

終わりに

私は過去の学生の頃からの原体験が間違いなく今につながっている。パソコンを通してものづくりがしたいという思いを貫いたからこそ、デザイナーに回り回ってやっぱりたどり着いた。そういった自分自身の基礎を作る、小さな頃から変わらずに信じ続けているアツい思いはきっと誰にでもあるし、私自身もその想いをこれからも大切にしていきたい。その想いを見える形=デザインにしていくことが私のミッションだ。

ただ、デザインは目的ではなく手段。作って終わりではなく、デザインを作ったその先が大切。その先を見据え共に未来を考えるデザイナーでありたいと思う。


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